KIBIHA

幾夏のさぶあかうんと

はじめて始発に乗った

火曜日に、始発(の次)の電車、乗った。

ちょっと思ってたのと違ったけど、面白くはあった。

山をひとつ越えた隣の府のターミナル駅まで行って、そのまま逆方向の電車で引き返して学校に行くことにした。 いつもの駅までの道のりは完全に夜道、少なくとも自分には朝の気配は見つけられなくて、その中を制服で歩いていくのはとても異様な感じだった。大通りは信号が消えていて、もちろん人は2人ほどしかおらず、滅亡後の様相すら呈していた。 

行きしなは真っ暗であんまり何も見えなくて、何よりテスト当日だから勉強していて景色ばかりも見ていられなかった。復路はいい塩梅。ちょうど日が昇って山の端の空にグラデーションが綺麗だった。見下ろす都会の街もやっと目覚めたように瞬いていた。

田舎の路線だし平日だったのもあって、あまり訳ありそうな人もいず、早朝出勤の男の人が多かった。皆淡々と新聞を読んだり本を読んだりゲームをしたり日中と変わらないことをしている。 自分にとってはまさに非日常の始発電車も、毎日これに乗って出勤する人にとっては日常なのだと思うと、ひとりひとりの時間軸の違いの大きさを感じて、そんな別々の時間軸を持つ人たちがこうして同じ場所に共生していることに少し感動した。

期待していた朝帰りの人たちの不思議な連帯感みたいなものは、休日にしか見れないようだとひとつ学習して、珍しく時間に急かされない清々しい気分で学校に向かった。太陽の光にこんなにほっとしたのは初めてだった。

 

話は変わって、こちら、どの曲も素敵で驚くほどの良いコンピレーション。都会がテーマだそう、だけど、喧噪の中のそれじゃなくて、少し眠りかけの都会って感じかなぁ。本当に素晴らしいので聴いてみて下さい。